レポートを書くときは「検索」「置換」を活用する(Word/テキストエディタ)

大学の前期授業も終盤ですね。レポート課題が提示された講義もあると思います。レポート以外でも活用できる機能を紹介します。

  • 「検索」は、指定した語をみつける機能
  • 「置換」は、特定の語を別の語におきかえる機能(読み方は「ちかん」)

あなたは、自分が書いた文章を「検索」したことはありますか。経験がない方はぜひ一度試してみてください。

レポートテーマが「ソーシャルワーク実践」に係わるものだったとして、その担い手をどう表現するかは大事です。自分がどの意味でどんな語を選んだのかが問われます。「何となく」ではいけません。

「実践者/援助者/支援者/専門職/ワーカー」のように、近い意味をもつ語があります。

教員の好む言い方・テキストの表現・調べた文献で、各々異なる語になっていたら、意識しないと統一(あるいは使い分け)できません。

まず、文脈によって語がかわっていないか、自分でチェックするために「検索」してください。短い文章(例えば1200字程度)であっても、バラバラな語を使っている可能性があります。(ヴァイオリン/バイオリンのように「表記ゆれ」がある場合もあります。)

次に、語を統一するには「置換」を使います。これを使わずに、語の前後にそって書き直すのも良いでしょう。

 「レポートを書き終えたら、誤字脱字がないよう見直す」注意はよくあります。学生さんと話していたら「検索」の使い方は意外と知られていないようでした。私は、誰でもやっているものと思い込んでいました。

「Word2013」では、「ホーム」タブの「編集」グループに「検索」「置換」があります(画像では右上)。詳しくは「Word 文字列 検索」で調べてみてください。

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上の画像は、青空文庫から夏目漱石坊っちゃん』をワードに貼りつけて、「学校」を検索したものです。なおWordだけでなく、秀丸Windows)やCotEditor(Mac)に代表される「テキストエディタ」でも同じことができます。

レコーディング・国試対策【3】-わざわざ「勉強しない」努力を繰り返している?

国試対策の3回目です。引用文献については1回目をご覧ください。岡田斗司夫さんがリバウンドしてるって? 別に気にしません。

記録に徹する勉強法、続けていますか。(勉強しない日も「0分」と書けば大丈夫!) 決して向き合いたくない「現状」を記録して、見えてくるものは何か。岡田さんは大胆な結論に至ります。

太っているのは、毎日まいにち「太り続けるための行動」を繰り返している成果なのだ。(90ページ )

私たちの関心から読むと、勉強しないための行動を繰り返している成果だと言うのです。ひどい言い方ですね。気を取り直して考えてみると、こういった毎日(記録が示す現状)に納得がいくかどうかが大事なのでしょう。

今のままで別に構わない、いやいや納得いく訳ないじゃない、人それぞれだと思います。ただ気をつけたいのは、私たちは無意識のうちに、目をそらせがちだということです。

岡田さんは「自分が太っているのは、太っていない人に比べて、何か別に原因があると思っていた。」そうです。でも、ある時「いくつも『書いていない食事』があるのに」気がつきます(93~95ページ)。

いまこの瞬間に食べているものの事など忘れるはずはない。なんで書き忘れるんだろう?(95ページ)

ここに国試対策の勉強が進まないヒントがあると思います。おそらく「イメージしている自己」と「実際の行動」のズレが、書き忘れるという結果になるのでしょう。

理想の自分が食べないはずの「ちょっとしたもの」を、実際に口にしたときこそ記録したくない。岡田さんは「わりとグルメかな」と思っていた自分が、同じようなものを食べているだけだったと書いています(97ページ)。

面倒でも記録に徹して、正直に書くからこそ見えてくることがあるはずです。モチベーションを下げる自己否定や、ムダな精神論(気合いで乗り切る)に陥らない勉強法を身につけていきましょう。

そのために「勉強しないための行動」を具体的に特定し、その行動の理由を探ること。簡単ではありませんが、考える価値があることです。もう少し続けます。

レコーディング・国試対策【2】-勉強しない日も、毎日記録だけは残す

前回の続きで、国試対策のお話です。ダイエットの話ではありません。

著者の岡田斗司夫さんは「最初は記録をとるだけで、絶対にガマンしない」「ひたすら、レコーディング(記録取り)に徹する」と(87ページ)と言っています。

なぜでしょうか。私は「現状」を把握するために、まずは記録だけに注力するのが早道だからだと思います。とくに気持ちが向きにくい国試の勉強には、何か工夫できるといいですよね。

今日は国試の勉強に手をつけられなかった。仮にそうなら「日付/0分」とだけ書くことになります。今日はできなかった、今日もできなかった、今日は何分だけやった、という記録が残っていきます。最初は無理に勉強をしようとせず、レコーディングに徹する、まずはこれを守ってほしいのです。1週間分の勉強時間を他人事のように眺める感覚で良いと思います。

「国試の勉強法が分からない」からではなく、この1週間を振り返ったとき「1分も時間を費やしていない」から出来ないのだ。仮にこんな「現状」だとしたら、自分一人で向き合うのは勇気がいるでしょう。記録が背中を押してくれるはずです。もし勉強が進まない!と困ってるのなら、ちょっと冷静になって、いまの状況を見てみましょう。

気軽に毎日記録をするのに、どんなツールが適しているかというと、人ぞれぞれの好みで選べばいいと思います。紙のノートを好む人、愛用のPCがある人、いろいろですが「毎日必ず手にして気軽に更新できるもの」が良いでしょう。

学生さんへのお勧めは、スマホスプレッドシートを開くこと。慣れれば1~2分で記録できるようになります。

www.google.com

レコーディング・国試対策【1】-「怖くて目をそらす」から抜け出す

国家試験対策(勉強法)の話をします。決してダイエットの話ではありません。必要な人の参考になればという動機から書きます。

私は、やり方をサポートしたいだけです。実際どうするかはあなたに決めてほしい。試験対策の「勉強」を無理強いしたくはありません。

私の手元にあるのは新潮文庫(2007年発行)で、リンク先のKindleは持っていません。引用ページは、同名タイトルの文庫本のものです。

すみません、前置きが長くなりました。本題に入ります。

著者の岡田斗司夫さんは「レコーディング・ダイエット」を提唱しています。

「記録することによるダイエット」であり、記録するという行為の積み重ねによって自分の行動管理を目的とする。(78ページ)

引用文の「ダイエット」を「勉強法」に置き換えてみてください。

出題基準の項目と具体的な内容、取り組んだ時間を、日々記録するだけです。エクセルでも紙のノートでも構いません。ただ書き残すだけ。

岡田さんは「現状を、冷静に数字ではあくする」と「冷徹な事実が見えてくる」と言います。そうしないのは「やったら、怖い結果がでそうだから」であり、「既にもう怖い状態に陥っていて、そこから目をそらしているだけ」とも指摘しています。(84ページ)

この記事を書くのに、文庫本を読み返したら、私は引用箇所に線を引いていました。きっと現状の直視を避けたいと思っていたのでしょう。その時の自分に言いたい。やってみれば良いよ、と。

次回は、まず「勉強」よりも「記録」することに力を注ぐべき理由について書きます。

いつまでもデブと思うなよ・電子版プラス

いつまでもデブと思うなよ・電子版プラス

 

あとがき

これまでも、国試対策に関連した記事を書いたことがあります。

社会福祉士試験対策を始めるとき、まずは自分のペースを把握しよう

社会福祉士国家試験の対策には行動記録がおすすめ

いつも気持ちを伝えたい-ハンス・ウィルヘルム『ずーっとずっとだいすきだよ』

まだ自宅にネコを迎える前に、この絵本を読みました。

ネコがいる暮らしを願いながらも、実際には叶わなかった頃です。私は「(もしネコがいたら)声に出して、毎日言おう」と思いました。そういう気持ちにさせるお話なのです。

いまネコと一緒にいて3年目、ほぼ毎日「うちに来てくれてありがとう、可愛いね、大好きだよ」と話しかけています。

この絵本を読んでいなかったら、ちょっと照れてしまって、出来なかったでしょう。話したことは、ネコに伝わっていると感じます。いえ本当に、彼女は聴いていますから。これからも大事だよと伝えたいと思います。

一日でも長く生きてね。 

ずーっと ずっと だいすきだよ (児童図書館・絵本の部屋)

ずーっと ずっと だいすきだよ (児童図書館・絵本の部屋)

 

あとがき

「猫ブーム」という話題には、複雑な気持ちになります。ブームによって、不幸な猫やペットが生まれないように、少しでも出来ることを心がけたいです。今年になって「#僕らの居場所は言わにゃいで」というハッシュタグを知りました。

社会福祉士試験対策を始めるとき、まずは自分のペースを把握しよう

先日、社会福祉士国家試験の勉強の仕方を、学生さんにお話しました。

勉強法についてはいろんな話題を耳にするので、戸惑う人もいるかもしれません。いつから勉強を始めるべきか、どんな参考書がいいか、過去問からやるかテキストの復習からがいいか。こういう主張には理由があって、いちいちもっともなので割愛します。学生さんは「納得できるか」「自分に合っているか」という感覚で選べばよいと思います。

それよりも重要なのは、日常でどれだけ「勉強」を繰り返せるのかでしょう。出題基準と過去問はチェックしましたか。範囲が決まっているとはいえ、あまりにも広いのです。嫌になりますよね。だから何度も何度も、日常的に少しずつ取り組まざるを得ない。キーワードは「継続」です。とても地味な話です。

気持ちが盛り上がっているときに「やるぞ!」とスイッチが入るのはいいのですが、国試対策は長距離走ですから息が上がります。一定のペースを保てないと、足が止まるのは明らかです。自分の24時間はもう「荷物」でいっぱいなのだから。

試験対策を始める前に大きな目標(たとえば毎日最低2時間勉強する!)を掲げると、かえってブレーキになることがあります。私も身に覚えがあります。

平坦な道を同じように走り続けていた、気づいたら結構遠いところまで来た、こう思えたら良いですね。たとえば、最初は分厚いワークブックにうんざりしたが、1年経ったら2回は読み通していた。こんな状態を目指したいです。

では、自分のペースはどうやって把握したらいいのか。ランニングと同じく、時間を測って記録しましょう-何時から何時まで、ワークブック共通の何ページと過去問。グローバル定義-。またこの話は書きます

試験対策という長距離を走るために、やるべきことがあります。自分の「等身大」を記録に残しましょう。それが「継続」を助けてくれるはずです。

昼食後に眠くなったら-宗田哲男『甘いもの中毒』

唐突ですが、甘いものは好きですか。

私は麺類が好きで、よく食べていました。いまもラーメンをいただいたときの気持ちよさを思い出すと、抵抗しがたいほどの魅力を感じます。

私は体調を崩すまで、食べるものを意識することはありませんでした。身体は「食べたもの」でできている。当たり前といえば当たり前です。ですが食事を見直す必要に迫られて、はじめて食の大切さを実感しました。

昼食後の授業で必ず寝てしまう、おなかが空いてくると無性にイライラする、こういったことは必ずしも「当たり前」ではありません。

お昼どきに、大学のコンビニでインスタント食品にお湯を入れている学生さんをみると、やはり心配になってしまいます。余計なお世話ですが。

もしあなたが炭水化物ばかりで大丈夫かなと思ったら、こういった本を手にとることをお勧めします。

甘いもの中毒 私たちを蝕む「マイルドドラッグ」の正体 (朝日新書)

甘いもの中毒 私たちを蝕む「マイルドドラッグ」の正体 (朝日新書)

 

あとがき

それにしても、どうしてあんなに炭水化物は美味しいのでしょう。脳が痺れる快感を味わいながら控えたほうが……なんて言われてもほんとうに困ってしまいます。

以前、身体によくないお菓子を紹介する動画を見ていたら、「お菓子食べながら、いまこれ見てる」とコメントがあって、思わず笑ってしまいました。

もっとも大事なのは、その気になったら気にしてみるのもいい、ということだと思います。食事のことを人にとやかく言われるのは、ものすごく嫌です。

追 記(19年06月17日)

具体的にどうすればいいのですか?と質問されたので、少し追記します。

小西先生の記述が分かりやすいと思いました(下線、引用者)。兎にも角にもタンパク質だとのこと。

「糖質を控える」前に、「大事な栄養を摂る」に目を向けたほうが、結果的に食生活が整う気がします。身体が満たされるせいでしょうか。あわせて藤川先生の本も参考にしてください。

●2-5 何食べても良いからともかく高タンパク質
お菓子、カップ麺、砂糖、スナック菓子が止められない、止めなくて良いですから、まず高タンパク。はじめに高タンパク質を食べてもらい、それができたらお菓子。 勉強したらゲームして良いよと同じパターンです。タンパク質食が勉強。ゲームがお菓子。順番は先に高タンパク質です。
(中略)まず高タンパク質さえできていれば良いです。