ブログを書いてみませんか、と学生さんに話しています。
私からみて、一人ひとりが魅力的だから。その魅力を言葉にできたらいいのにと感じます。蓄積されれば、その人の表現が伝わるようになり「信頼できる履歴書」になると思っています。
もう一年以上、どうやってサポートしたらいいだろうと思いながら、どうにもなりません。
いろんな出来事や感情をそのまま言葉にするのは難しい。「人が読む」と思うと、もっと言葉にしにくいものです。
誰が読むか分からないオンライン上は、ハードルが高いのも分かります。
ではローカルに書けばいいかというと、それも続かないことが多い。
その日その時のことを残しておかないと、どこかに消えてしまう。いまの私には、とても「もったいないこと」に見えるのです。
ただ私が学生の頃にそう思ったかと聞かれると、思いませんでした。絶対思わなかったです。自分を基準にするのもどうかと思いますが、勧めることに躊躇もあります。
読む人がいる(かもしれない)緊張感が、未来の自分でも他人でも「相手に届けたい」という動機づけにつながるためには、何か足らない気がします。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』にある「10年前の自分」に語りかける内容が好きです。
あなたはいま、ある情報を手に入れている。知識かもしれないし経験かもしれない。ともかく有益な情報だ。
そして有益な情報とは、往々にして「もしこれを10年前に知っていたら!!」と思わせるものである。(161ページ)
書かないのは「もったいない」と私が言うのは、いまのあなたが「有益な情報」を手にしていて、それが大変貴重なのだと思うようになったからです。
20歳のあなたが「10年後の自分」を助ける文章を書く。私はわくわくしますが、20歳前後のあなたには伝わりにくいかもしれません。
再び同じページから、著者のアドバイスを引用します。
「10年前の自分」に語りかけるようにして書けばいいのだ。彼や彼女がどんな景色を見て、どんな悩みを抱えているのか。どんな言葉を嫌い、どんな言葉に耳を傾け、どう伝えれば納得してくれるのか。すべてが手に取るようにわかるはずだ。(161ページ)
少しだけ読み替えると、「10年後の自分」に向けて、いまの自分が見ている景色を書く。それが「有益な情報」になるのです。
ぜひ、あなたの今を言葉にしてください。